省力化の農業はCO2削減につながる?

周りに花がないわけじゃないのに、ネギ坊主で何かをしているミツバチくん。
蜜を集めてるんでしょうか。
「省力化」というと、大規模・単一栽培を想像する方が多いかもしれません。
確かに広大な面積を機械で耕すことは省力化への第一歩。
省力化と言えば、一番わかりやすいのが稲作です。
昭和40年代米づくりにかかった一反あたりの労働時間を調べると、141時間となっています。
(農水省の統計による)
平成18年では28時間。約5分の1に減っています。
これは大規模・機械化により労働時間が大幅に削減されたということですね。
ただ、面積が増えている農家が多いでしょうから、単純に省力化とは言えないかもしれません。
さて、このような機械を使用した省力化だけが目につきやすいのですが、
個人農家でも日々省力化に励んでいるものです。
そのひとつが、自家採種。
先日埼玉県の瀬山さんの畑に行き、種を採っているところを見せていただきました。

長年とり続けている小松菜の種と瀬山さん。
「この袋にサヤごと入れて、バサバサ振ると種が落ちるから手間かかんないよ」
種採りにも段取りと省力化の方法があるのですね。

バサバサ振って落ちてきた種がこれ。今年の秋作に利用されます。
自家採種は「種を残す」という尊い行為の他に、種を買わなくていいというメリットがあります。
最近の種の価格、知らなかったのですが、とっても高いのですね。
例えば長ネギを1反(10a)栽培するのにかかる種代は、1.5万円程度。
長ネギは種まきから収穫までに約12カ月かかります。
一年間畑をみっちり使って、植え替えなどの手間もかけなくてはなりません。
削減できる経費はできるだけ削減しておきたいもの。
そこで自家採種。
ネギの場合は、すみっこの一列をネギ坊主が出るまで置いておけば、
わりあい簡単に種が採れます。

畑でちゃっちゃと振っただけで種がこぼれおちてきました。らくち~ん!

自家用のさやえんどうも種を採りました。これからいい種を選抜し、今年の秋には種します。
自家採種した作物は、翌年作りやすいというメリットもあり、
種代はかからず、おいしいネギが栽培できる。
こういう省力化もあるのですね。
そのほか、化石エネルギーを使わない育苗(燃料の削減)、
天敵利用、バンカープランツやコンパニオンプランツの積極的な導入(農薬の不使用)など、
農家によってさまざまな省力化が行われています。

天敵がたくさん集まる植物を混植し、有機農業に役立てます。
この花はボリジ。エディブルフラワーにもなるハーブですが、天敵くんがここで育ってくれるそうです。
地域の資材を安価に入手し、栽培に利用することも大切です。
手に入る資材で自家製のボカシ肥を作れば、食味の良い作物を栽培することが可能です。
購入肥料や農薬、燃料をできるだけ使わず、売り上げを伸ばす。
省力化することによって、結果としてCO2削減にもつながり、
環境負荷が抑えられる…省力化への第一歩は、環境にもメリットがありそうです。
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