新規就農者の会話から見えたこと

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Byほんたべ

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同じ年に茨城と岡崎という遠く離れた土地で新規参入した3人。
農業の話って、初対面でもいろいろできるんだなあとちょっと感動してしまった。
左から、さちこさん、のんのんファーム・まいちゃんとあっちゃん。ブログは以下。
のんのんファームのブログ → のんのんファームの作業日誌
さちこさんのブログ → 野良綴り



平成23年の新規就農者数は58,120人。
前年と比べて6.5%増えたらしい。それはよかったね。素晴らしい。

大まかに言うとこのうち60歳以上の就農者は31,290人
40~59歳は12,610人、39歳以下は14,220人。
若い世代と定年就農者が増加しているそうである。

詳細は以下から。細かいデータが出ております。
平成23年新規就農者調査結果の概要(8月24日)
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sinki/pdf/sinki_syunou_11.pdf

さて、ひとことで新規就農者と言っても、いくつか種類がある。

1.親の後を継いだ=新規自営農業就農者
2.農業法人等に雇用された=新規雇用就農者
3.土地も家も探して一から新しく農業を始めた=新規参入者

この合計が58,120人。確かに22年と比較すると増えてるけど、
平成21年は66,820人いたから、トータルで見ると減ってるの。
数字をさかのぼっていくと、やっぱり減少傾向にはあるみたい。

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なすの様子を見ながら「なんでこんなにちゃんとしとるんかね?」
「岡崎は暑いんかね?」と不思議そうなのんのんファームのふたり。
「追肥しないでいいってほんと?」などと栽培方法の情報交換も。



私たちが「新規就農者」と聞いて思い浮かべるのは
「全く縁もゆかりもない土地で、新たに園地を探して農業を始める人」
つまり「新規参入者」である。

この人たちが何人いるかというと58,120人のうち、2,100人。
このうち39歳以下は800人。たくさんいるじゃありませんか。

60歳以上の定年退職農業者もいいんだけど、
その後何十年も農業に従事できる若い世代が多いのは、
やはりすばらしいのである。

実は「ほんたべ日記」でも二組の新規参入者を紹介してるのだが、
なんと二人とも平成20年の新規参入者だったことに後で気づいた。。

平成20年の39歳以下の新規就農者は15,030人いて、
15,030人のうち、新規参入者は620人であった。
この620人のうちの2人を知ってるんだあ!と感慨深かったものである。

このふた組の新規参入者が、先日対面した。

岡崎市で新規参入したのんのんファームのまいちゃんとあっちゃんが
石岡市で新規参入したさちこさんとのところに
岡崎市から車でわざわざやって来たのだ。

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なすの剪定の方法をいろいろと聞いてます。
さちこさんは今年は道法式の無肥料切り上げ剪定を実践中。
今のところ収穫がしやすいなどの省力化はできてるけど収量は少し少ないとか。



新規就農者同士がどんな話をするのかな~と思ったわたくし、
もちろん同席させてもらいましたのです。

その会話から見えてきたのは「新規参入にはお金が必要」
という当たり前のシンプルなことであった。

まず双方とも「自分の野菜はおいしくて安全なものを」と考えているため、
無農薬で有機質肥料を使った有機農業を営んでいる。
これが前提なのでJAなどには出さない(というか規模が小さすぎて出せない)。

主たる売り先は、新規参入者はまず「野菜セットの宅配」だから、
どうしても小規模多品目の作付になる。

どこかの団体に入って大手流通と取引できればいいんだが、
茨城は今放射能問題で厳しいし、岡崎にはそういう団体はない。
有機農業で小規模栽培では個人で大手と取引するのは難しい。

しかし、取引しやすい大規模単作農業はできない。
野菜セットが作れなくなっちゃうからね。

さらに売り先が確保できたとしても、規模を急に広げられない。
自分の手が及ぶ範囲の作付しかできないから、そろそろと進むしかない。

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西出隆一さんのレシピで作ったボカシを見学中。
すっぱいようないいにおいがするボカシを見て感心しきりのお二人。
その後大爆笑の話を聞いたけど、ここには書きません(笑)



大風が吹けば節約して自力で立てたハウスがぶっ飛び、
最悪の場合はへちょへちょになり、余計にお金がかかる。

台風が来れば作物は傷つき、順調だったものが急に終わる。
張ったマルチはよくはがれるし、取っても取っても草は生えるし、
朝から晩まで働いても、作業はいつも押せ押せになる。

なんてことは一年に一回しか経験できないから、
時間が自分の経験を豊かにしてくれるのを待つしかない。

トラクターが借りられる茨城はいいが、岡崎では誰も貸してくれない。
トラクターは欲しいけど、今はそんなお金がない。

モミガラやワラ、その他資材が欲しいと騒いでいると
ある日誰かが持ってきてくれる農村地帯の石岡と、
そもそもが市街地である岡崎では条件が全く違う。

新規参入するにはその土地の条件を考慮することも必要なのだった。

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涼しいところに避暑中のひつじのカズ君も紹介にあずかっとりました。
「これペット?」「ペットなの?」と楽しそうな2人。
おっさんひつじなのにカズ君は女の子に人気なのでした。



むかーし、某D社でわたくしが新規就農を目指していた頃、
新規就農するなら1,000万円貯蓄しろと言われていた。
農器具と家賃、初期に必要な軽トラなどのさまざまなものの経費、
そして一年無収入でも食べていけるお金、それが1,000万円である。

そのうえで、すでに売り先を持っている有機農業団体などに入り、
少しずつ出荷していくというのが一番楽な新規参入の方法だ。
団体に入っていると先輩からいろいろ教えてもらえるし、
少しだけでも出荷できる=現金収入ができるからだ。

ただ、そういう道を選ばない新規参入者もいる。
その人たちの野菜をすくいあげるしくみは、まだ今はなくって、
各自が努力して売り先を考えているという状態である。

うーん、なんかできそうなんだけど、できないかなあ・・・・。

上記のような話を屈託なくケラケラ笑いながらしている3人の女の子を見て
おばさん、考え込んでしまいましたよ。

なんかいいアイディア、ありませんですかしらね?


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Comments 4

H2  

売り先の確保

久しぶりのコメントになりました。
生活リズムがちょっと変わったタイミングから更新についていけなくなって、
ずっとあとで読む感じになってしまってご無沙汰していました。

さて、いくつかちょっと気になったのですが、売り先の確保が大きな課題なのですかね?

いろいろな就農者さんのブログを拝見していますが、
一定年数を経て「家庭向けの野菜セットの宅配」を主体にしている方でも、
直売所や定期朝市、スーパーの特設コーナー、生協経由での販売などを
組み合わせてやってきた方の方が展開がうまくいっているようにみえますがどうでしょう。

そういうとこで何か購入して名前を覚えたお客さんが、
その後に野菜セットのお客さんになってくれたり、
また、子どものつながりや地域のつながりなどからの農業体験や援農を通して、
やはりその後に野菜セットのお客さんになってくれたりするとか。

それに、作ってる以上のものは売ることができないので、
それなりに余るように作らなければいけないと思うのですが、
その緩衝販売先としてもやはりそういうとこは必要なはずで。
相場が安くて納得の行く値段が付けられなかったり手数料等を引かれたりするにしても、
ある程度はプロモーションコストと考えて利用する方がいいように思えます。

まぁ地域条件の違いはいろいろあるでしょうけども、
その中でなんとか工夫していくしかないですよね。
あまりに条件が悪ければ場所を変えるという選択も無くはないとは思いますが。

一人暮らしだと野菜セットの宅配はなかなか手は出ないんですが、
個人的には、ブログから畑が見える、作り手の人となりが見える、のが親近感わきますね。
朝市とか直接顔を合わせるようなところでは、やはり話し上手な方が印象いいですね。

2012/09/04 (Tue) 21:50 | EDIT | REPLY |   

ほんたべ  

Re: 売り先の確保

H2さん

お久しぶりですね! お元気そうでなによりです。

H2さんのおっしゃる通りだと思います。
規模と売り先のバランスを取りながら、じょじょに広げていくっていうのが理想ですかねえ。
なんつって、自分が農業してるわけじゃないので、
実際にはそのあたりのバランス感覚は全くないのですが。

ともあれ、今後ともよろしくお願いいたします。

2012/09/05 (Wed) 15:30 | EDIT | REPLY |   

H2  

栽培技術と農地確保

自分も実際にやっているわけではないのであれなんですが、
徐々に広げていかざるをえないのは売り先のことよりも、
栽培技術にロスが多いうちは規模を広げても手が回らないとか、
あるいは十分な農地が確保できないとかによるんじゃないんでしょうか?
農地が確保できて一定の栽培技術もあるなら、
とりあえず作付けして早期の黒字化を目指すのがいいような気がするんですが。
野菜セット以外のルートで販売しやすいもので。

2012/09/06 (Thu) 01:39 | EDIT | REPLY |   

ほんたべ  

Re: 栽培技術と農地確保

> 徐々に広げていかざるをえないのは売り先のことよりも、
> 栽培技術にロスが多いうちは規模を広げても手が回らないとか、
> あるいは十分な農地が確保できないとかによるんじゃないんでしょうか?

両方バランス良く広げていかないといけないんですよね。
なので、全く新しい土地にスカッと入るより、基盤(新規就農者受け入れ)があるところに入って、その作付計画に沿って作付するのが一番楽なのです。

> 農地が確保できて一定の栽培技術もあるなら、

そうなるまでにはやはり3年位かかるみたいですねえ。
3年って都市生活者には長い時間ですけど、農家で言うと栽培は3回しかできないので大変。
まあサラリーマンでも仕事になれるのには3年かかるから一緒か。

2012/09/07 (Fri) 08:26 | EDIT | REPLY |   

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