食材原理主義者(わたくし)が暑苦しい本を書いています

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Byほんたべ

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最近おいしかったもの「自家製ゆずマーマレード」。
おいしくて食べ過ぎる→太るので注意深く食べております。


6月、早川書房の方から『その食べ物偽物です!』(早川書房)に
解説を書いてほしい、とオファーがありました。

この本は米国のコラムニスト・ラリーオルムステッド氏が
「ほんものの食べもの」について語っている本であります。

なぜほんものなのか、どういうルールで作られているのか等々を
非常に熱く、一部暑苦しく語っており、文字数も多いし、
この人きっとめんどくさい人なんだろなーとか思いましたが、
読んでいるとなんだかおなかが空いてきました。

パルミジャーノ・レッジャーノ、神戸牛、オリーブオイル、ロブスターなど
書いてあるものすべてがとてもおいしそうなのです。
いいなー。こんな暑苦しい、ではなくおなかがすく本を書いてみたい。

編集の方は『ほんとうにおいしいものはお店で買えない』を読んで
わたくしに解説を依頼したということでありました。

つーことで久しぶりに『ほんとうに~』読み返してみると、
勢いはあっておもしろいけど、読者のことをあまり考えず、
言いたいことだけ思い切り書いてるなという印象を受けました。

今ならもう少し上手に書けるかも、と、ちょびっと思ったわたくしは
とある出版社に『ほんとうにおいしいものはお店で買えない』の
改良版みたいなものを「おいしい」を軸に書いてみたいと提案しました。

つーことで、OKが出たので書いていたのです、8月から。

わたくしは通常まえがきから書き始め、その本のトーンを決めますが、
「おいしいものってなんなのか、どんなものなのか」が
自分のなかでまったく整理されていないことに気づきました。

わたくしの考えるおいしいものとは?(愕然)

PCの前で日がな一日書いては消し、書いては消しするうちにひとつき経ち、
わたくしは運動不足で太り始めました。うううううう。

とりあえず書けるものから始めようと本文を書いている間も、
「有機農業の野菜はほんとうにおいしいのか」とか
「食品添加物が入っていない無添加食品はほんとうにおいしいのか」みたいな、
今考えると枝葉末節なことがらについて、あーでもないこーでもないとつらつら考え、
仕上がった文章を読んでもまったくおもしろいと思えず、
自分はほんとうに本など出せるのか、提案などしなければ良かった、
もうどっか南の島に失踪しようかでもそんなお金もないしなんて考えてるうちに
あっという間に10月になりました。そもそもの締切は目前に迫っています。

うううううう。どうしたらいいんだああ!!!(絶叫)

しかし熊本に取材旅行に行った後のある日、なぜかすらすらと書けるようになったのです。
未来にある仕上がった文章を読みとっているような感じですらすらと。

それと同時にわたくしのなかで「おいしい」がまとまりつつありました。

わたくしは以前友人に「食材原理主義者」と言われたことがあります。
そう言えばわたくしは、おいしいレストランには食べに行ってみたいなとは思うけど、
そんなに興味がありません(クラフトビールは別)。

自分で調理をする際には素材の味をいかす、というか
おっさんの手抜き料理的なものが多く、凝った料理はつくりません。
おいしい野菜や肉の味をだいなしにしたくない気がするからです。

わたくしにとって大切なのは、素材をどう調理するか、ではなく
その前の工程、食材がどのようにつくられているのか、誰が作っているのか、
そのひとが何を考えているのか、などの、素材の「背景」です。

おいしい素材ならばできあがる料理は当然おいしくなるはずだから
レストランにもレシピにもたいして興味がないのです。

その食べものがどんなふうにどんなものでつくられているのか。
栽培方法とか製造方法とかつくるひとの人柄とか含めたうえで、
おいしいものが好き! なのです。

このようなわたくしのことを、友人たちはおそらく
「めんどくさいヤツ」と思っているに違いありません。
食べものはおなかがいっぱいになればいいし、誰が作っていようが
どうつくっていようが、とくに関係ないからです。一般的には。

そこんとこをくどくどと暑苦しく語られてもなーって感じでしょう。
しかしこれが「安全・危険」の話になると皆が耳を傾けてくれます。

もしかしたらわたくしは、食材原理主義ではなく
危険論者になったほうがよかったのでしょうか。
少しふくらませば、というか、情緒的な部分の印象を操作して
「危険」とまあ言えなくはない的なことはたくさんあります。
(言いたくないから説明がすでにくどくどしくてすんません)

しかし安全・危険というものさしのみでものごとをはかると、
人は思考停止してしまい、そこから先へ進めなくなってしまいます。
それは危険と騒ぐ人以外の、誰のためにもなりません。
わたくしはそういうのは苦手です。

「食べものがどうつくられてるか立ち止まってちょっと考えてみる」

おいしいと言われるもの、からだにいいと言われるものがあふれかえっている今、
必要なのは思考すること。疑問を持つこと、知ることです。

そこから一歩踏み出す人が増えれば、世界が変わると信じています。

つーことで、現在初校チェックをやっております。
「いろいろ書いていくうち、本としてなんとなくまとまってくるんですよ」と
編集者が言っていましたが、たしかにその通りでした。

現時点で「おもしろいじゃん!!!」と思えてほっとしています。
発売は1月下旬か2月になりそうです。良かったら読んでいただければ。


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