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肉と米を同時に生み出す「合鴨水稲同時作」のこと

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Byほんたべ

gazou 066
合鴨農法では合鴨を使う人とカモを使う人がいます。なにが違うのかと思っていたら、
合鴨はでかいからイネが小さい時イネを倒して困るから、ということのようです。
使った後食べるときにおいしいから、とか考えてたわたくしは業が深いのかもしれません。



今はなき大地を守る会では、以前、アジアの農民との交流を行っていた。
タイやバリなどの農村部に出かけて、有機農業的交流をするのだ。

このツアーには毎回数名の社員が参加した。

わたくしは1998年頃、ベトナムツアーに連れてってもらった。
当時は今のように直行便はなく、ベトナムブームもまだ来ていなかった。
生まれて初めて行った社会主義国は、識字率が高い働きものの国だった。

ハノイの戦争記念館で元気よく「日本人を絶滅しました!!」と通訳に言われたり、
(たぶん「殲滅」と言いたかったのだと思うが確かではない)
毎回食事のときに出る生のハーブを食べた人がのきなみ下痢したり
養豚場に行ったら食用犬の養殖してたりとか、興味深いことがいろいろあったが、
見学のメインは、ベトナムの有畜複合農業(VACシステム)であった。

VAC とはベトナム語のVuon(庭)Ao(池)、Chuong(家畜小屋)
頭文字を合わせたものだ。

庭に池を掘り、その土を盛った高台に家を建て(雨季対策)、家畜小屋と畑をつくる。
池ではあひるや魚を育て、家畜小屋では豚などを飼う(もしかしたら犬も)。

魚は池に繁茂する水草や虫を食べ、あひるは小魚や水草を食べ、
家畜は大根の尻尾とか魚の頭とか人が食べられないものを食べる。
池の底の泥や家畜の糞は畑の肥料になり、作物は人が食べたり売ったりする。
また、あひるや豚(や犬)も食べたり売ったりする。

売ることができれば現金収入もあるが、売らなくても食料の自給はできる
非常に理にかなった「循環型の食料を生み出すしくみ」である。

1990年代からベトナムではVACを推進しており、
食料の自給と豊かな生活を目標にしているようであった。

ベトナムは社会主義国なので、わたくしたちは国が許可をしたところ、
成功している農家(だけ)を見学をした。どの農家も幸せそうに見えた。
ベトナムは一年で米が3回収穫できるのだ。
がんばればがんばっただけ収入が増えるのだろうと思った。

わたくしは「池と家畜と家禽と畑」という循環型農業に感銘を受けたが、
そのすんばらしいしくみは、過去、日本でも「池抜き」で行われていた。
家畜(豚とか牛とか)と畑、田んぼを組み合わせた「有畜複合農業」である。

しかし戦後の食糧増産でこれらは細かく分業化され、今ではほとんど行われていない。
これからでもやればいいのに、と思っていたが、実は今もそのようなしくみがある。

それが「合鴨農法」、正式名称「合鴨水稲同時作」である。

昨今では単に「合鴨農法」と呼ばれ合鴨は除草マシーンとして認識されているが、、
正式名称で呼ぶと、この農法の目指すところがよくわかる。
文字通り「合鴨(肉)とイネ(穀物)を同時につくる」システムである。

そういえば大地を守る会でも、最初は「合鴨水稲同時作」と呼んでいて、
最後に合鴨を食べるというようなしくみをつくっていたことを思い出す。

しかし除草に使う合鴨は少なくても100羽とかで、それを肉にするのは大変である。
なにしろ肉を販売する場合は、食鳥法(食鳥処理の事業規制及び食鳥検査に関する法律)
「食鳥処理場」で処理されたものでなくてはならないと決まっているのだ。

庭先でさばいた合鴨を自己責任で食べるのはいいが、売ると法律違反である。
近所の人におすそ分けする場合、販売ではないので法律違反ではないが、
そういうのはあんまり公に言ってはいけないことのようだ。

ということで、合鴨水稲同時作で発生した合鴨を肉にする場合は、
最寄りの「食鳥処理場」(許可申請が必要)に持っていかなくてはならない。

合鴨農法につかう合鴨のヒナはだいたい一羽1000円くらい。
これの食鳥処理には一羽1000円くらいかかるらしい。

仮に一羽2,500円で売ったとしても、燃料代や田んぼから上げたあとの肥育代、
などを考えると割が合わないし、だいたい100羽以上のカモ肉をどこに保存するのか。
余ったら一年かけて食べなくてはならないのだ。

てなことを考えるとやっぱり、全部引取業者に持ってってもらうことになる。
合鴨を引き取る業者が肉にしていればいいなと思うがそんなことはなくて、
肥料になってるような気がするが、あまり知りたくないからいいか。

もともとは「肉と米を同時に生み出すしくみ」だった「合鴨水稲同時作」は、
現在では「除草マシーンとしての合鴨→その後は肥料」みたいな
人間って業が深いですよね、うんうん、的な感じになってしまったのかもしれない。

が、除草剤を使わずに米をつくるためにはしょうがないのだ。
食べられればいいが、そうできない事情もある。

自分的にはベトナムの「VACシステム」のような循環型農業が理想で、
ここに「狩猟」を組み合わせれば、肉と野菜が自給できると思っていたが、
もしかしたら一反くらいの田んぼに合鴨を入れればそれでいいのかもしれない。

あ、でも合鴨のヒナを買わないといけないのだ。一羽1,000円(゚∀゚)
しかも家禽を飼う場合は県に届け出をしないといけないらしい。
これは「家畜伝染予防法」で定められている。

世の中には知らないことがたくさんあるなー。

ちなみに、あひるも合鴨もカモも英語ではDUCKで、とくに分類はされていない。
つーことで文中の「合鴨」はカモ・あひるに置き換えてもOKです。


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Comments 4

北海のヒグマ  

鶏を飼うのはいいですよ。

自分が経営している自然卵養鶏ですが、個人的には『有畜複合自然循環型農業』などと言うこともあります。鶏という家畜を飼って、糞は畑に撒くことで肥料になり畑作物が育つ、という理屈ですね。まぁ、自分はそれほどの規模で耕作しているわけでもありませんから、大それたことも言えません。(^^)

鶏の最終的な処理は、食鳥処理業者でなくとも可能です。それは自分が外注にお願いしている『燻製』にしてもらい、真空パックにしてしまうのです。北海道の自然卵養鶏家の多くは、この業者に燻製にしてもらい販売しているようです。賞味期間も4ヶ月程度あります。

家禽を飼う場合、特別、自ら道庁に届け出た記憶はありません。普通、就農すれば(する前からとも言えます)役場に知られ農協に知られますから、そこから家畜保健衛生所にも知られ、という感じだと思います。今現在は、毎月家保に『家畜伝染病予防法第52条に基づく........報告』という書類を月1回提出しなければなりません。その提出する書類もあらかじめ送られてきていますので、それに記入すだけで簡単です。もまぁ、鶏インフルエンザを否定できない症状はありませんか? という報告ですね。

自分も狩猟免許を取得したいと思っています。わな免許を持っている人は結構います。両方欲しいですね。家畜を飼っていると『家畜を守るため』という大義名分で取得しやすいかもと思ったりして・・・。北海道は鹿の被害が大きいです。でもまぁ、猿や猪に比べるとマシか・・・とも思ってしまいます。

2018/01/18 (Thu) 23:29 | EDIT | REPLY |   

ほんたべ  

Re: 鶏を飼うのはいいですよ。

北海のヒグマさん、コメントありがとうございます。

>
> 鶏の最終的な処理は、食鳥処理業者でなくとも可能です。それは自分が外注にお願いしている『燻製』にしてもらい、真空パックにしてしまうのです。北海道の自然卵養鶏家の多くは、この業者に燻製にしてもらい販売しているようです。賞味期間も4ヶ月程度あります。

肉を販売する際には、的な条件付きで食鳥処理業者に出さなくてはならないと思いますが、燻製にして販売する際はどうなんでしょうね。
それとも、庭先で解体したものを燻製業者に出して販売しているということですか?
 
それはちょっとやばいのではと思いますが、生肉として売らなければOKなんでしょうかね。
法律的にあいまいなところなのかもしれませんが、公に言ってしまうとダメになる案件なのかも。
いや、なんとも言えません。

>
> 家禽を飼う場合、特別、自ら道庁に届け出た記憶はありません。普通、就農すれば(する前からとも言えます)役場に知られ農協に知られますから、そこから家畜保健衛生所にも知られ、という感じだと思います。


自宅の庭先で家禽を飼育する場合は届けが必要なのではと思います。
庭先の無許可で飼育していた鶏から鳥インフルエンザでも出た日にゃなにが起きるかわかりませんから。
ということで、非農家が何かを飼育するのは届けることからスタートなんでしょうね。


> 自分も狩猟免許を取得したいと思っています。わな免許を持っている人は結構います。両方欲しいですね。家畜を飼っていると『家畜を守るため』という大義名分で取得しやすいかもと思ったりして・・・。北海道は鹿の被害が大きいです。でもまぁ、猿や猪に比べるとマシか・・・とも思ってしまいます。


罠を先にとっても止めさしが大変なので結局銃も取る的なことになるようです。
狩猟免許の場合は試験一回で済むので、全部とっとくことをおすすめします。
わたしは網免許を取らなかったことをいまさら後悔しています。

もっかい試験受けるべしとか言われたら泣きそうです。

2018/01/22 (Mon) 14:52 | EDIT | REPLY |   

北海のヒグマ  

食鳥処理の資格を持っているのか確認はしていませんが、名刺には書いてありませんでした。燻製つくりでも必須なのかは自分もわかりませんが、今度聞いてみようと思います。生きたものを持って行きます。元々は始まりは養鶏業者だったようです。おおっぴらにスーパーでも販売していますし自社店舗もありますので、法的にきちんとした業者なのは間違いないでしょう。あいまいな書き方で申し訳ありませんでした。

非農家は届け出ることが原則なんでしょうね。数千人の町ならあっという間に役場にも情報が行ってしまうものですけど(^^)。

隣に狩猟免許所持していた人(非農家)がいましたが、いろいろと所持にあたっての決まり事も厳しいようですし、ある程度撃たないと所持している意味もそれなりに問われる(だからといって取り上げられるわけではないんでしょうが)ような事を言っていました。所持するのも辞めてしまいましたね。自分自身それでチョット二の足をふんでいるところもあります。まぁ、自分は農家ですのである一定数は撃つと思いますけど、弾もお金かかりますしね・・・。

2018/01/24 (Wed) 21:40 | EDIT | REPLY |   

ほんたべ  

Re: タイトルなし

北海のヒグマさん、コメントありがとうございます。
射撃のことで頭がいっぱいで遅レスすんません。

> 食鳥処理の資格を持っているのか確認はしていませんが、名刺には書いてありませんでした。燻製つくりでも必須なのかは自分もわかりませんが、今度聞いてみようと思います。生きたものを持って行きます。


許可取られていると思いますよ。

最近は食鳥処理場の許可がまったくおりなくなっていて、数年前からほとんど下りてないそうです。
なので新たに取るのはむずかしいということでした。

鳥インフルエンザのせいかもしれませんね。

>
> 非農家は届け出ることが原則なんでしょうね。数千人の町ならあっという間に役場にも情報が行ってしまうものですけど(^^)。
>

ですよね。
ちなみに犬も10頭以上になると届け出が必要なようです。


> 隣に狩猟免許所持していた人(非農家)がいましたが、いろいろと所持にあたっての決まり事も厳しいようですし、ある程度撃たないと所持している意味もそれなりに問われる(だからといって取り上げられるわけではないんでしょうが)ような事を言っていました。


申請にお金かかりますし、射撃にも年に数回は行かないといけないし、狩猟にも行かないといけないので、
駆除とかしないのなら補助金も出ませんし、お金がかかってしょうがないと思います。
現時点のわたくし状態です。

もーいろいろお金かかる散弾銃じゃなくてエアライフルにしちゃおうかしらんとふと思ったりもします。
いつか田舎に引っ越して狩猟(鳥撃ち)するならエアライフルでいいなとか(全部妄想)。

ちなみにエアライフルは弾が安いです。
射撃場もそのへんにあります。
でも銃が高いんですよ。欲しいのは40万とか(泣)まだムリ。

2018/01/29 (Mon) 18:12 | EDIT | REPLY |   

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