『サバイバル男気クッキング』で理解した狩猟採集生活のリアル

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Byほんたべ

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昨年等々力渓谷で採集した干からびたアミガサタケ。
都内のあちこちで発生してるらしいです。深大寺植物公園あたりとか。



2月23日、「ネアンデルタール人が絵を描いていた」という
わたくし的にかなーりグッとくるニュースが報道されておりました。
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-43165670

「絵を描く」といえばラスコーの遺跡ですが、これは2万年前のこと。
描いたのはクロマニヨン人であると考えられています。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/360768/121400015/
それよりも4万年も前に「誰か」(たぶんネアンデルタール人)が絵を描いていた。

もーウッキウキではありませんか?

「絵を描くという行為」は、頭のなかにあるモノの形を想像しつつ
そのイメージを具体的に手に伝え、手を動かさねばなりません。
現時点では「ヒト」にしかその行為はできないようです。

検索してみましたら「チンパンジーは絵を描くか」という研究がヒットしました。
しかしその京都大学の研究によれば、彼らに絵は書けないようです。
https://www.zaikei.co.jp/article/20141030/220081.html

チンパンジーには「想像する力がない」と結論されているようでした。

わたくしたち人間の遠い親戚である類人猿には絵は書けない。
DNAはほんのちょびっとしか違わないのに大きく違うのです。

実は2014年に、わたくしたちホモ・サピエンスのゲノムの3%が
ネアンデルタール人由来であるという一部地域に衝撃の事実が判明しました。
ネアンデルタール人とクロマニヨン人は、最初の出会いのどこかの時点で
どのようにしてか交雑して子孫を残したのです。

これがわたくし的最近の関心事「ネアンデルタール人とクロマニヨン人は
どのような理由で交雑したか」ですが、まあそれはどうでもいいです。

てな話は置いといて。

ネアンデルタール人はもちろん、わたくしたちの先祖も8000年ほど前まで
狩猟採集生活を行なっていたわけなのですが、この生活が
いったいどんな感じなのか、わたくしはちゃんと理解していませんでした。

そして先週の『サバイバル男気クッキング』(※)を見ていたらなんとなく
狩猟採集生活について正しく理解できた気がしたのです。

今回のサバイバル生活はブルガリアの山の中でした。

きのこや山菜、川魚などわりと潤沢な食料に恵まれますが、
なにを考えたんだか凄腕ハンターは鹿を狩りに山に出かけます。
シェフは川べりで採集生活をしつつハンターの戻りを待つことになりました。

初回のメキシコの山地では獲物が取れずギスギスしていたため、
今回はふた手に分かれたのかもしれません

出かける前にハンターは「マスを手づかみで取る方法」をシェフに伝授します。
才能があったらしく、シェフはたちまち数匹のマスを捕まえました。
マスと近隣で採集したアミガサタケ、カタバミで豪華なディナーをつくるシェフ。
とりあえずおなかいっぱいで和やかな雰囲気です。よかったギスギスしなくて。

翌日「鹿をとるまで帰らないから夜帰ってこなくても心配しないように」
と言い残し、ハンターは山奥へと向かいました。
その後ハンターは鹿を追いかけて山のなかをウロウロします。
そして一頭の鹿を仕留めるのに、なんと3日もかかってしまうのです。

なにしろハンターが持っているのは銃ではなく矢。射程距離は10mくらいです。
そんなに近づかせてくれる鹿がいるようには思えない、というか
実際にまったく近づけず、木の根などをかじりつつ「家に帰りたい」とかボヤくハンター。
この場合の家はシェフの待つシェルターではなくニュージーランドの自分の家です。

うううううう。んじゃ出るなよこんな番組に。とか思うわたくし。

木の根をかじっているハンターと比較して、シェフは手づかみで魚を取りまくり、
アミガサタケとソテーして、カタバミをサラダにして豊かな食生活を送っています。

「彼が帰ってこなくて心配だ。大丈夫だろうか、ケガはしていないだろうか」
お腹いっぱいで余裕があるせいか、ハンターの心配をするシェフ。
食べものを採集している間以外はぐーたらしているようです。

のんきに寝転がってハンターの心配をしているシェフを見た瞬間わたくしは
「狩猟」と「採集」で」営まれる生活について正しく理解したのです。
そして思いました。

狩猟はマッチョでかっこいいけど実際はあんまり役に立たなさそうだと。

ハンターのように、大動物を狙い獲物を持ち帰れば、
食べきるまでに数日かかるため、食料に困らないというメリットがあります。
干せば保存できるし、皮など有用な物資もゲットできます。
食べものがある間はぐーたらできますから、ぐーたらできる時間も長くなります。

さらにその時点ではヒーローになれます。大量の食料、そして肉。
みんなに思い切りチヤホヤされそうです。

しかし常時捕獲できるかというとそうではないでしょう。
狩りの最中に怪我をして生命を落とす的なこともあるでしょうし、
まったく手ぶらで帰ってくることもあったでしょう。
大動物の狩りは、ハイリスクハイリターンな食料獲得方法なのです。

確実に食料を獲得できるのは、毎日働く必要はあるけど飢えることはない、
魚やきのこ、食べられる植物の採集でしょう、どう考えても。

「採取」は「狩猟」と比較しローリスクローリターンではありますが、
食べものが尽きるまではそこで暮らすことができますし
命を落とす的なことはとりあえずなさそうです。

狩猟採集と言われるとなんとなく、毎日お父さんが鳥や鹿をとってきて、
お母さんは木の実を採集みたいな、どっちかというとマッチョなお父さんメイン
みたいな印象があったのですが、実際はお母さんが採集したさまざまなもので
家族は生きながらえていた、というのが現実ではないでしょうか。

たまーに狩猟で肉を食い、ふだんは魚や木の実を食べてぐーたらする、
それが狩猟採集生活。なんてステキなんだ。

ネアンデルタール人もクロマニヨン人も、そういう土地でぐーたらしている間に
「こないだ大きな鹿狩ったときのスゴいオレをみんなに自慢しよう」
みたいなことを思いつき、「記録」として絵を書いたのかもしれません
なぜなら「採集」の絵はどこにもないからです。採集はまさに「絵にならない」のです。

ここまで書いてみて、こういうのどっかで誰かが書いてたなと思ったのですが、 
そう言えばこんな本がありました。

エレイン・モーガン 『女の由来 : もう一つの人類進化論』(どうぶつ社)

『女の由来』はフェミニズム炸裂本なので読むのならこっちがおすすめです。
エレイン・モーガン 『人は海辺で進化した : 人類進化の新理論』

ヒトはある日突然野原で狩猟するために二足歩行したのではなく、
水辺で浮力を利用しつつじょじょに二足歩行に移行した、という
「アクア説」がベースになっていて、実はわたくし、これを信じています。

ネアンデルタール人からフェミニズム話。まとまりがなくてすんません。

※『サバイバル男気クッキング』
凄腕ハンターと野生のものを原料にした料理が得意なシェフが
二人で7日間のサバイバル生活を行うリアリティ番組。
ディスカバリーチャンネルで火曜日の23時から放送されています。


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