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カンタンで確実で今日からできる種子法廃止対策

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Byほんたべ

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カレーライスにはこれ、お寿司にはこれ、冷めてもおいしいのはこれ、等々
米ひとつ取ってもあらゆる用途に則した品種がちまちまと大量にある多様性天国の日本で
多国籍企業がこのようなちまちまとした多様な消費者ニーズにこたえた開発を
することができるのか、と冷静に考えると、ムリなんじゃないかなーって気がしてきた。



たねと食とひと@フォーラム2018年度総会記念シンポジウム
「種子法廃止後のたねのゆくえ」に参加してきました。
目当ては京都大学の久野秀二教授の講演と、都道府県職員のお話です。

「主要農産物種子法」とはカンタンに言うと「米麦大豆の奨励品種の増殖とその品質管理を
都道府県の責任においてきちんとやることを義務付けた法律」
です。
8条の短い文章からなる法律で、一般人が読んでもよくわかりません。

そのわかりにくさゆえか、巷では多国籍企業が参入してタネが危険だとか
日本のタネが失われる、とかの論説が幅を利かせています。

昨年の「種子法廃止」以降、種子法についてネットであれこれ調べた際に、
一番フラットでわかりやすい論説を展開されていたのが久野先生でした。
わたくし的にこれは聞かなくてはなるまい! と思ったわけです。

お話は新たな知見を与えてくれる興味深いものでした。

さて、たねと食とひと@フォーラムでは種子法廃止後、都道府県に
「種子法廃止後の措置をどうしたか」というアンケートを送付し、
すべての都道府県から回答を得ることができました。

非常に貴重なこのデータは、後日たねと食とひと@フォーラムのサイトで公開の予定です。
まだ公開されてないけどサイトのURL → http://nongmseed.jp/

スタッフの方がおっしゃっていたように、一部の設問のなかには、
正しい答えを得られないものがあり「無回答」が多くなった設問もあるとのことですが、
おおむね都道府県の取り組みがわかりやすいデータになっています。

独自の条例や要領を制定している県、そうでない県などさまざまあります。
自分の県がどのように対策をとっているか確認し「条例とは言わないまでも要領くらい作りましょう」
地元の議員にプレッシャーをかける際に役立つデータになりそうです。

都道府県から参加されていた兵庫県の農政環境部の方によると、
兵庫県は種子法廃止後、速攻で条例を制定したとのことでした。スゴい!!
条例を制定した県はその他に2県あります。というか2県しかないと言うべきか。
県によって微妙な温度差があることがデータのすきまからなんとなく読み取れます。

ちなみに東京都は種子法の廃止関係なく「数年前から種子の生産より撤退」とのことでした。
データを含め、この日の記録は9月に出版されるそうなのでそちらをご参照ください。

さてさて。お目当ての久野先生の講演でわたくしの印象に残ったのは、
なぜか、種子法が廃止になって多国籍企業がどうたらみたいなそもそも論よりも、
最後にさらりと久野先生がおっしゃったことでした。そして、
わたくしは大地を守る会時代に若い農業後継者に言われたことを思い出しました。

「大地を守る会に出荷している生産者だけ儲かって農業を続けてもダメなんですよ。
例えば僕の隣の田んぼの人が米作りをやめちゃって、そこにホームセンターができたら?
そうなると地域の農業が壊れちゃうでしょう。農業は地域で守らないとダメなんですよ」

種子法の廃止はその一面だけ見ると一般人にはわかりづらいのですが、
実はアベノミクスによる「規制改革・国際競争力の強化」という大きな絵の一部です。

昨今、畜産や酪農の大規模化はもちろんですが、
農業においても大規模農業が推奨され法人化が推し進められています。
人口の減少に伴い農業人口は今後も減り続けます。担い手の減少は数十年前からの課題です。
大規模・集約化で担い手の確保をしようとしているのではないかと考えることもできます。

久野先生は(わたくしのメモでは)最後に次のようにおっしゃいました。

「一部の担い手に集約していく形でしか地域の農業を守れなくなっているが、
地域の農業は、生態系や自然・人の多様性などを含めた文化でもある。
地域から切り離された担い手ではなく、生活の空間や社会的機能を含めた担い手が必要」

大規模な担い手が点として支えるのではなく、家族経営の小規模農家が面として
地域全体に広がり、そこに住みそこで生活することで、地域の多様性が守られる、
そんな意味合いでおっしゃったのだろうと受け取りました。

実は、種子法廃止後、種子の原原種や原種をつくる圃場が減っているのですが、
そもそもそれらをつくっているタネ農家の高齢化がすすみ、いつまでできるかわからないなどの
種子法が廃止されたせいではない「農村の大きな問題」が現在進行中です。

農村の人口が減少や農業人口が減少し、農村が疲弊していけば
税金も農業にかける予算もなくなり、最終的に種子を守ることもおぼつかなくなる。
久野先生が言うように「農村を守るなかで種子も守られていくのでは」ないでしょうか。

わたくしたちは今後、どうふるまうべきかを考える必要があるでしょう。

たねと食とひと@フォーラムでは民間の品種「みつひかり」を開発した
三井化学アグロに取材を行い、興味深い返答を得ていました。
曰く「種子開発事業はお金も手間もかかるし民間で参入するには割があわない」

取材の目的は「民間に参入しやすいよう種子法廃止」の根拠がないことの証明のようでしたが、
逆に言うと「民間が種子事業に参入するメリットは現時点では非常に少ない」とも言えます。

日本の米や麦、大豆には、多様性豊かな地域固有の品種があります。
これらの品種を消費者が選択し続ける限り、多様性を選択できない=細々とした開発をしない
多国籍企業のメリットは少ないままなのではないかと思います。

日本的丁寧さ、細やかさは、効率重視の多国籍企業の方針から最も遠いものだからです。

であれば、一消費者としてできることは「日本のタネを守る」と声高に叫ぶことよりも、
地元産の大豆を使ったお豆腐を買ったり、味噌を買ったり作ったり、
地元の原料を使った醤油や酢を購入したり、近所の農家の米を食べること
ではないでしょうか。

こういった購買行動が地域の農業を守ることにつながる、とわたくしは思います。
わたくしたちの選択が農業の未来を決めるのです。
叫んだりSNSでシェアするだけでは世の中は変わらないのです。

カンタンで確実ですぐにできる種子法廃止対策→地元のものを買う。
みなさまもぜひ。


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