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「遺伝子組換え食品表示」のマイナーチェンジが意図せざる方向に(゚∀゚)

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Byほんたべ

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遺伝子組換え作物は牛豚鶏の飼料にも使われていますが表示はされていません。
非遺伝子組換え作物の飼料は20%ほど割高になるので最終商品価格が高くなります。
輸入穀物を使わざるを得ないのは、飼料作物(ダイズ・トウモロコシ)が自給できないからですが、
飼料米とか放牧とかエコフィードとかで飼料の国産化ができるといいのに、
なんちて最近は思っているわたくしであります。


2017年4月から消費者庁で行われていた「遺伝子組換え食品表示制度に関する検討会」が、
2018年3月14日に終了しまして、遺伝子組換え食品の表示が変わりそうな気配がしてきました。

とは言っても、おおむね現行の表示とほとんど変わらないのですが、
ひとつだけ、消費者にも事業者にも「えーなんでそうなるの?」という
新たな方向性が示されました。

さて、遺伝子組換え作物はIPハンドリング(分別生産流通管理)によって、
遺伝子組換え作物と非遺伝子組換え作物を分別して流通しています。

分別されたものに「遺伝子組換えでない」という表示を、
分別していないものには「遺伝子組換え不分別」という表示ができますが、
「不分別」表示を見たことがある人は少ないと思います。

なぜなら遺伝子組換えの表示義務があるものは8種33品目のみで、
原料(重量順)の上位3位以内に入っているものだけ
だからです。
つまり「ちょびっとなら表示しなくていい」とも言えます。

つーことで、日本人は日々大量の遺伝子組換え作物を食べているけど
「アタシ食べてないもんね」と思っているのです。

さてIPハンドリングとは読んで字のごとく
「生産から流通までを分別して管理してますよ」というしくみです。
乱暴に言うと「書類上ちゃんとできてます」ということでもあります。

IPハンドリングはオーガニックのように取扱いのラインや倉庫を分けたり掃除したり、
小分けするのに別途認証を取得したりするなどの厳密な管理システムではないため、
遺伝子組換え作物が入ってた倉庫やコンテナに非遺伝子組換え作物が入る、
また逆の場合もアリ、みたいなことは当然起きます。

これは、スピードスプレイヤーで農薬を散布した後、洗わずに車庫にしまって、
一週間後別の農薬を入れて散布したら、前回の農薬が残留してて基準値に引っかかった、
みたいなコンタミ(汚染)が起こるということです。
ちょっと違うかな。。。わかりやすい例だと思ったんだけど。

実は現在流通している「遺伝子組換えでない」表示をされている食品のなかに
微量の遺伝子組換え作物が含まれている可能性があります。
というかけっこうあるみたいな調査結果が出ています。

一般社団法人 農民連食品分析センターの調査では
「2016年7月~10月、東京都内で販売されている豆腐、豆乳、納豆、健康食品、
油揚げ、煮豆など、大豆を含む食品など31製品について検査を実施し
15製品から組換え遺伝子を検出」
とあります。
http://earlybirds.ddo.jp/bunseki/report/gmo/tofu2016/index.html
「大豆製品に含まれる遺伝子組換え大豆の検出調査2016」

あらまー。

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2012年に鹿島港で遺伝子組換えナタネの自生調査に参加しましたら、
遺伝子組換えだと思われるトウモロコシの粒が落ちてました。
ほんとにコンテナから落ちるんだなーとしみじみ感心しましたが、まだ調査されてるのかな。



というようなこともあるため、現在の法律では
「意図せざる混入5%までは遺伝子組換えでない表示ができる」となっています。
EUでは0.9%ですから日本はちょっと甘いため、
消費者団体のなかにはEU並みにすべきだという議論をされているところもあります。

ということで、今回の検討会ではこの「意図せざる混入」率の引き下げが検討されたようです。
座長の方が書いたわかりやすい記事
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001736.html
(独立行政法人 農畜産業振興機構WEBサイト)

しかしこの引き下げがまさに「意図せざる方向」に行ってしまった、
なんちて思ったのはわたくしだけでしょうか。それがこれです↓

「5%含まれているかもしれないのに“遺伝子組換えでない”と表示していいのか」

最終的に検討会では意図せざる混入は5%とかどうとかじゃなくて「不検出」
つまり0%のもののみに「遺伝子組換えでない」と表示可能という方向性
が示され、
今後は消費者庁で議論したり表示のしくみを考えたりすることになったようです。

なんかこういう「0か100か」みたいな議論ってちょっとどうなの? と思うのは
事業者の努力を無にするような方向性だからでしょう。なんだかなって気がします。

確かに上記の調査結果を見ると誤認と言われてもしょうがないのですが、
しかししかし。実際に不検出のみを「遺伝子組換えでない」と表示するようになった場合
多くの食品の表示欄から「遺伝子組換えでない」表示がなくなるのは明らかでしょう。

食べたくないからと「非遺伝子組換え」食品を選択してきた人々はもちろんですが、
割高な「非遺伝子組換え作物」を輸入し製品をつくってきた事業者にとっては
晴天の霹靂というか「えー。困っちゃうよねー」って話ではありませんか。

まず、任意表示されていた醤油などからいっせいに表示が消えるでしょうし、
人々はますます遺伝子組換え食品を食べているのに「食べてない」と勘違いし、
というか「そもそも遺伝子組換えってなんだっけ」みたいになるのでは。

さらに、だいたい「不検出」ってどうやって調査するわけ?
抜き取り調査とかでやってDNAが検出されたら景品表示法違反になるわけ?
など、運用についても疑問は尽きません。

なんて感じで今後は消費者庁の検討を息を呑んで待ちたいと思います。

でもまあ、現実に即しているというか、実際には日本では栽培はされてないけど
大量消費国であることに間違いはなく、人々は意識せずに食べてるわけで、
反対している人々の間でも、なんで我々は遺伝子組換え作物を食べなくてはならないのか
みたいな話は全然出なくて、遺伝子組換え作物を食べるとうつ病になるとか癌になるとか
糖尿病になってコワイよね、みたいなUFO話と同レベルの話で盛り上がるような現状があるわけなので、
この表示でもむしろ消費者的にはいいのかもと悲観的になったりするわたくしですが、
皆さまはいかがでしょう。

とりあえず、パブコメの募集が始まったらガンガン意見を提出しましょう。
っつか、募集するのかな。。。?


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