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「有機農業の推進はできる人ができることをやればいい」という基本

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Byほんたべ

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2012年頃の何かの会で撮った藤田会長との唯一のツーショット写真。若いわーわたくし。
藤田さんがあまり変わってないのはやはし食べものに気を使ってらっしゃるからでしょう。


先日、元大地を守る会社長のお宅で昔在籍していた女性社員の宴会がありまして、
わたくしも参加してまいりました。懐かしい人々の顔を見て昔話に花が咲きまくり、
いつものようにほとんど何も食べずにビールを飲みまくってしまいましたよ反省。

現時点で途中3時間ほどの記憶がごっそり抜け落ちているのですが、ふと気づく、というか
ふと我に返るとわたくしは、現・Oisix・ラ・大地の会長、元大地を守る会社長・
藤田和芳さんに議論を挑んでおりました。

「有機農業推進法以降、有機農業関連の団体がたくさんできたが何かなし得たのだろうか。
大きなイベントも行われているが何か生まれているのか、それに意味があるのか。
助成金がなければ立ち行かない事業も多いがそれでいいのか」
わたくしはどうも、たまりまくっていた疑問を一気にぶつけたようであります。

「ようであります」というのは、酔ってて経緯をよく覚えていないからです(泣)

在職中、農産チーム長だったわたくしは日本各地で開催される生産者会議に出席し、
毎回社長である藤田さんの挨拶で藤田さんのマイブームを知り、飲み会でアホな話を聞いては笑い、
ときどき聞く立派な発言で感銘を受けては「さすが社長」などと思っていましたが、
正直に言うと「スゴい」とはあまり思っていませんでした。すんません。

農産チームから情報企画室に異動後、機関誌用にインタビューしていろいろな話を聞いて初めて、
「この人はほんとにスゴい人」とようやく認識したのでした。この間約15年。

退職後、有機農業関係のさまざまな方と知り合う機会がありましたが、
藤田さんのような大きなビジョンと先見性を持つ人はあまりいませんでした。
というか出会えていないだけ? いや、そんなことはない。いなかった。
ということで、退職後さらに「藤田和芳」という人のスゴさをしみじみと感じたわけです。

藤田さんには修羅場をくぐり抜けて到達した境地、とでも言いたくなるような懐の深さ、
若いもんよりも面白く新しい発想ができる柔軟性と毒を含んだユーモアのセンスもあり
その発想力は退職後「ああ、あの時藤田さんが言ってたのはこれか」とわかることが多く、
当時の自分というか大地を守る会の面々よりもたぶん藤田さんは3年位先を走ってたのだと
しみじみ思ったことも一度や二度ではありません。

元社長なので持ち上げているのではなく、マジで恐れ入っているわたくしです。
なんてこともあったので、久しぶりにお会いして酔った勢いで質問したのでしょう。
返事の細部をほぼ覚えていないのですが、はっきりと覚えているのはこの一言です。

「できる人ができることをやればいいんです」。

わたくしはこの夜の会話の細部を思い出そうとこのところずっと考え続け、
ひとつ気づいたことがありました。わたくしの内部にいつの間にか生まれていた
「有機農業の推進ってなんなんだ」という「疑問」そして「迷い」です。

さまざまな人が「有機農業はこう」「自然栽培はこう」と主張しています。
各自の主義主張はいいのですが、ときとして意見の違う他者を攻撃することがあります。
というか多々あります。というかほぼそんな感じです。わたくしはそれがとてもイヤで、
そういう話を聞きたくないから有機農業とは少し距離を置こうとしていました。

以前藤田さんへのインタビューで「自分たちの学生運動が失敗した理由についてよく考える。
わたしたちは、わたしたちの間の小さな違いが許せず、それを攻撃してしまった。
ほんとうの敵は別のところにいるのに、自らを攻撃して崩壊してしまった。
つまり多様性を認められなかったことに失敗の原因があったのだ」と聞きました。

「多様性」

それぞれの考えが違っていたとしてもそれをお互いに認めつついっしょに進んでいく。
大地を守る会の初期の会則に「人の悪口を言わないこと」とあったのは、
「どのような運動でも、ともすれば多様性を認めたがらない」からなのでしょう。
では、数十年経ち、すでに円熟期に入っているはずの有機農業に多様性はあるでしょうか。

わたくしにはあるように思えなかった。というか実を言うと自分自身その泥沼、
他者を許せないという泥沼に足を踏み入れており、自らに壁を作りつつありました。

入ってくる情報が少なければ少ないほど自分は居心地がいいのですが、
そもそも情報バイアスがかかっているため、情報の真価を見定めることができない、
なんてことにも気づきました。わたくしは驚愕し、自らに幻滅しまったのでした。ううううう。

「できる人ができることをやればいい」それは大地を守る会の真骨頂でもあります。
その申し子でもあったはずのわたくしが何をしていたのか(愕然)。
他の人がどうあれ、皆できることを必死にやっているのだから、
わたくしもその是非を問うことなく自らにできることをすれば良かったのでした。

いろんな人がいるから多様性があり、その多様性こそが有機農業のありように繋がり、
網の目のように心地よい繋がりが広がっていく。そのなかに何かおもしろいこと、
あたらしいことが生まれ、次世代に繋がっていけばいいのです。

さすが大地を守る会の社長、現・オイシックス・ラ・大地会長、藤田さん。
退職した一社員の迷いを取り除き、新たなエネルギーを与えることができるなんて、
そこいらの社長にはなかなかできることではありませんよ、なんちて思う次第です。

このことを忘れないよう、いただいた宴会の写真を机の横に貼り戒めとしたいと思います。
それにしても大地を守る会っていい会社だったなー(しみじみ)。

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