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「感冒後嗅覚障害」っぽいのになって気づいたいろいろなこと

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Byほんたべ

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梅や沈丁花などのステキな香りばかりでなく、というか、世界はどちらかというと
排気ガスとか堆肥とかプラスチックが燃えるニオイとかの悪臭に満ちており、
脳は日々危険を感じているのかもしれないな、としみじみ思った
たった3日間の完全なる嗅覚障害の日々でありました。



わたくしたちの鼻は、空気とともにニオイを取り込んでいます。
ニオイは勝手に鼻から入り、鼻の奥にある嗅覚神経→臭球を通じて脳に入り、
その情報を元に脳はあれこれ判断しています。

嗅覚は視覚や聴覚などと違い、本能行動や感情・記憶を司る
「大脳辺縁系」に直接伝わるため、記憶と深く結びついたり、
危険を瞬間的に察知したりという役割も負っています。

例えば、鍋の取っ手が焦げたニオイを感じると、わたくしたちは慌てて
コンロに走り、鍋の取っ手焦がしたー(泣)などと凹みます。
また、消費期限が切れた牛乳を飲むその瞬間、酸っぱいニオイがした気がして
一度飲むのをやめ、ニオイをくんくん嗅いで大丈夫かどうか確認したりします。

絹さやを食べて姿も形もないカビのニオイがしたので食べるのをやめるとか、
食べ忘れた豚肉のニオイを嗅いで食べられるかどうか確認したりとか、
基本的に賞味期限切れの食品を食べることが多いわたくしだけかもしれませんが、
「嗅覚」はわたくしの「安全」を守ってくれています。

その嗅覚をある日突然失ったら。

わたくしインフルエンザ罹患後数日「感冒後嗅覚障害」っぽいのになりまして、
ほぼ3日間、無臭の世界に暮らしていました。

嗅覚がなくなったとはっきり気づいたのは、失って2日目でした。
インフルエンザなど、風邪にかかると鼻づまりを起こすことが多いため、
急性副鼻腔炎で味覚、というか嗅覚がなくなることはよくあります。
が、鼻づまりが治ると嗅覚も戻ってきます。非常にしばしばあることです。

しかし、鼻は通って空気はバンバン入ってくるのに、まったくニオイを感じない、
そんな経験はしたことがありませんでした。

ミョーだと思ったわたくしはGoogle先生に聞き、これは「感冒後嗅覚障害」で、
インフルエンザのあとになる人、さらに更年期のオバサンがよくなると知りました(泣)

原因はよくわかっておらず、ホルモンバランスが関係しているのではとのことですが、
わたくしがよくなる「良性発作性頭位めまい症」もホルモンバランスが原因とかなので、
なんでもかんでもホルモンバランスのせいにするのはどうか、なんちて思うわけです。
というか、なんでわたくしはそういうのばっかりになるのか、なんちて思うわけです。

てなことはどうでもよくて、とりあえず当帰芍薬散が効くこと、
その他はステロイド点鼻、亜鉛製剤などで治療と書かれていました。が、
効果的な治療法は今んとこない、とも書かれていました。

たまたまめまい対策で当帰芍薬散を処方されていたわたくしは、
その日のうちに飲み始め2日後には嗅覚が30%ほど戻ってきました。ほっ。
この間の体験が非常に興味深かったので、書いておきたいと思います。

さて、わたくしはまず、食べものの味がまったくわからなくなりました。
鼻がつまるとよくこうなりますが、鼻づまり=副鼻腔炎の嗅覚障害は、
空気が通るとほんのりとナニカのニオイがするもんです。
感冒後嗅覚障害と副鼻腔炎の違いはここ。「ほんのりする」か「まったくしない」かです。

自分の嗅覚障害が鼻づまりではなく感冒後嗅覚障害っぽいと知ったわたくしは
嗅覚と同時に味覚も失ったことにすぐ気づきました。
「食べもの関係の仕事はもうできない=飯のタネがなくなる」とかなり凹みました。

が、しかし。外出してみたら、とても不思議な事が起きたのです。

外に出てももちろんわたくしの嗅覚は何も感じることができません。が、
わたくしの脳はどうも、呼吸してもニオイがまったくしない無臭の世界を
「非常に清浄でクリーンな世界」と認識、というか勘違いしたのです。

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雨降りの日に外に出るとアスファルトに染み込む雨のニオイがします。
石の上を流れる雨のニオイが好きなので、嗅覚を失ったとわかった際に
自分が一番残念なのは、食べものよりも雨のニオイがわかんなくなることかなと
最初に思いました。我ながらどんだけ雨が好きなんだって感じです。



わたくしの住む世界は、悪臭に満ちています。

鼻から空気を取り入れるたび、排気ガス、近所の農家がまいた堆肥、
となりの家で食べてるらしい缶詰のデミグラスソースのニオイなど、
どちらかというと悪臭を、脳は日々感じ、危険かどうか判断しています。

夫の加齢臭、猫のウンチ、お風呂に入ってない自分の髪の毛のニオイなど
身の回りからも「ちょっとどうなの」というニオイも、脳は常時感じています。

わたくしが嗅覚障害になっている間もこれらの悪臭は無くなったわけではなく
「いつもと同じくそこにある」のに、わたくしの脳は「ニオイがしない=クリーンな世界」と判断し、
わたくしを脅かす「よくないニオイ」がまったくしない世界、
すなわち「チョー安全な世界」と認識したのでしょう。

その結果、わたくしの脳は高揚し、わたくしはなんかしらんウキウキしていました。
「無臭の世界ってなんてステキなんだ!!」
延々と続く無臭の世界をわたくし(の脳)は心から楽しんでいました。

さらに嗅覚を失う=味覚を失うことから、料理の味付けとかどうでもよくなり、
浄水器を使わないと飲めない水道水(東京水よ、すまん)や、
嫌いなニオイのする牛乳も全然へーきでバンバン飲めるようになりました。

きっとふだんはまったく食べられないレバーやマトンも全然平気に違いない。
このまま治らなかったら食べに行って試してみよう! とか思った2日後に、
ニオイが少しずつ、ほんとに少しずつ戻ってきました。

その戻り方はとても不思議なものでした。
ニオイに波長があるとすると、上部の軽やかで華やかな部分、マスカット香とか
いわゆる「芳香」と呼ばれる香りがまったくわからないのです。
感じるのはニオイの低層部のみ。したがって、食事が楽しくありません。

イチゴは酸っぱくて甘いけど何もにおわないナニカのくだもの、
ダージリンティーはわらや干し草を煮出したような変な飲みもの。
どちらかというと悪臭のみが先に戻ってきたってな感じです(泣)

全部一気に戻ってくれよ!!! って感じですが、
戻ってくれただけでOK。ありがとうわたくしの嗅覚神経よ。

実は現在でも、ときどきニオイの波長上部がわからなくなったり、
もしかして今なにかにおってるのを感じてないかも的な状態になりますが、
嗅覚障害とはそういうものなのかもしれません。当帰芍薬散に期待です。

しかし、嗅覚が感じるニオイの波長(幅?)で感じる味が全然違うこと、及び、
無臭の世界に身をおいていると勘違いした脳のヨロコビを知ったのは、
非常に興味深い体験でした。このような体験は二度とできない、
と言っても過言ではないでしょう(大げさ)

ところでわたくしは嗅覚がなくなった翌日に症状に気づきましたが、
なかには何ヶ月も嗅覚を失っていることに気づかない方がいらっしゃるそうです。

感冒後嗅覚障害はできるだけ早い治療開始が効果があるということでしたので、
インフルエンザ罹患後、嗅覚がなくなったら耳鼻科を受診すべきでしょう。
とくに更年期の方、マジでお気をつけください。

やっぱしワクチンだよな!!! と決意を新たにしているわたくしです。



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