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ゲノム編集食物に感じる違和感についての考察

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Byほんたべ

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鳥取出身のわたくしは子どもの頃からおいしい魚をたんまり食べているため、
養殖の魚は口に合わず、絶対に食べません。ここんとこ、
すげー大きなこだわりで自分でも驚くほどです。なので、養殖で
筋肉2倍の真鯛とか言われても、価値が全然わかりません(偏屈)。



「厚生労働省の食品衛生分科会は28日、狙った遺伝子を効率的に改変する
「ゲノム編集」技術で開発された食品について、一部は届け出だけで販売できる
とする報告書を決定した。届け出方法などの細部は専門家らを交えて議論し、
2019年夏にも申請を受け付ける。食品表示についても消費者庁で議論が始まる見通しだ。」

(オンライン版日本経済新聞4月11日記事より引用)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43036950Y9A320C1000000/

わたくしの知り合いの農家に、ぶどうの品種改良を趣味にしている方がいました。
これ!と思ったぶどうのめしべにこれ!と思ったぶどうの花粉をかけ合わせ、
果実がなるのに4年。性質が固定するのにさらに5年ほどかかると言っていました。

初生りのぶどうに狙い通りマスカット香が出て「やった!」と思った数年後、
性質が固定したら香りがなくなる。また、香りはあるけど割れて商品にならない、
なとなど、それはそれは大変な作業なのだと楽しげに話していました。
「好きじゃないとできないよなあ」とわたくしはしみじみ思いました。

これまでに何百種類も新品種を作ってみたけど、うまく行ったのは数品種のみ。
品種登録して金儲けできるようないい品種ではなく、オリジナル品種として個人販売するレベル。
品種改良とか新品種の育成がいかに大変なのか、この話を聞いてよくわかりました。

このような、タネとタネを掛け合わせで生まれる品種改良以外にも、
「枝変わり」(桃やりんごなどによく出る)という突然変異を育成し新品種をつくることも可能です。
枝変わりとは、ある特定の枝から先に違う性質が生まれる突然変異で、
現在の着色系ふじやつがるはほぼこの枝変わりから生まれたものです。

枝変わりは新しいりんごができるわけではなく、つがるならつがるの、ふじならふじの、
ちょっと性質が違うものができるって感じ。なので、早く実るとか色が真っ赤とかです。
こういう突然変異は人が目ざとく見つけて育成したものですが、
放射線照射で人為的に突然変異を起こして新品種を作った例もあります。

例えば「ゴールド二十世紀梨」「ミルキークイーン」などがそうですが、
おそらく星の数ほど試しているはずなのに、有名なのはこの2品種ということでは
あまり効率は良くないのでしょう。

品種改良とはこのようにめっちゃ大変でお金も時間もかかるのよね、だから
遺伝子組み換え技術で品種改良すると任意の性質を持ったものが生まれて
すごーく楽ちん!! とか農水省のサイトに書いてあるわけです。

さてしかし。現在はさらにすんばらしい技術が生まれています。
それがゲノム編集です。

ゲノム編集とは遺伝子の特定の部分を切ったりそこに他の物を導入したりして
任意の性質を獲得するという技術で、従来の遺伝子組み換え技術のように
数撃ちゃ当たる式ではなく、狙い通りの効果を生むことができます。

経費もかからず小さなラボでもできるため、急速にいろいろなことができるようになっていて、
技術の進歩に倫理規定とか法律が追いついていない感じです。

先日、中国の研究者がエイズウイルスに感染しない遺伝子を持った双子の子どもを
ゲノム編集でつくって各方面から非難や懸念が発表されたのは記憶に新しいところです。
この発表後に開催された学会の様子をテレビで見ましたが、非難轟々の嵐でした。
研究者のなかでも「やってはいけないこと」という認識だったのだと思います。

てな感じで、冒頭の記事の通り、厚生労働省でゲノム編集食品についての規制、
というかとくに規制なし、というルールが決まりました。
あっと驚く「外部の遺伝子を組み込んでいないものについては届出制」というゆるい縛りです。
しかも届け出をどうするかとか今後の議論によるとかだそうです。えええええーって感じ。

ゲノム編集は、生物の遺伝子の一部を改変するものですが、外部遺伝子を導入せず
その生物の遺伝子を切り取るなどで任意の性質を発言させることができるため、
そもそもの遺伝子が少し変異しただけ、というか、いじって変異させただけなので、
厚生労働省では「外部遺伝子を入れていないゲノム編集は従来の突然変異と同じ」という認識です。
なので、ゲノム編集作物は「届出制」というゆるい規制になったのでしょう。

えええええーって感じです。

わたくしは、ゲノム編集食品について全否定はしていません。
昨今の地球規模の気候変動の速さ、地球温暖化の影響で農作物について大きな被害が出る中で、
高温障害に強い穀物や野菜、干ばつ耐性穀物などがゲノム編集でさっさと作られるといいな、
となんとなく考えています。食べるものがなくなるよりもいいからです。
また、そういうところにこそ遺伝子をいじる意味があるだろうって気がします。

しかし違和感を感じるものもあります。

・筋肉が2倍という肉厚真鯛
・GABAが多いトマト、腐らないトマト、その他栄養価が高いトマト
・酸化しないので褐変しないじゃがいも・りんご

その他、ゲノム編集食品についてこんなのできつつありますよ、という資料を見つけました。
けっこうグッと来ます。
「食用と考えられるゲノム編集動植物に関する調査」中島治,近藤一成
http://www.nihs.go.jp/library/eikenhoukoku/2018/052-069.pdf

筋肉が2倍つく肉厚真鯛って、それはヒトで言うところの遺伝子疾患ではないのでしょうか。
ヒトなら疾病なのに、鯛だと安価で素晴らしい。ほんとですか。

また、このような生物が自然界で生まれたとして、生き残れるのでしょうか。
自然淘汰されちゃうんじゃないの? とわたくし的には思えますから、
「従来の突然変異と同じ」と言われても「そうですかねえ」って感じです。

酸化しないりんごやじゃがいもについては、それらはそもそもその作物に必要だから
備わっている機能ではないのですか? とか思うわけです。
ヒトの都合で改変して「いつまでも色が変わらなくていいね」ってところ、
「色が変わらないことが誰のメリットになるのか」ってところが不気味です。

リコピンやビタミンB含有量が多い豚やトマトについてはもう、食べものはサプリじゃないので、
今のままでいいじゃんとか思ってしまうのですが、わたくしは時代遅れなのでしょうか。

わたくしたちは、形が変だったり挙動がおかしいものは食べません。
また、りんごはカットしてしばらくすると褐変すると食経験上知っています。、
褐変しているりんごは「カットしてから時間が経っている」と判断できるため、
あまりにも茶色くなってるものは食べないこともあります。

そういったさまざまな食経験を積み上げ、わたくしたちは日々食べるものを選び
自分にいいと思えるものを食べているとも言えます。

ゲノム編集食品については安全性も大切でしょうが、わたくし的には、
もとあった機能が取り払われた、あるいは追加された食品を食べること
情緒的で申し訳ありませんが、非常に大きな違和感を感じます

これらに通底しているのは「ヒトに便利なものを作る技術が行き過ぎてる」感で、
安全性とか科学的根拠はないけど「生物としての違和感」と言えばいいのでしょうか。
でもこういうの、実は大事なのではないかって気がします。

つーことで、筋肉2倍のマッチョな真鯛(しかも養殖)など食べたくないので
これから始まる消費者庁の「ゲノム編集食物の表示」については、
マジで表示義務を徹底してほしいと思っています。


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