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HBOドラマ『チェルノブイリ』を見ていろいろ考えた

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Byほんたべ



スターチャンネルでHBO制作のドラマ『チェルノブイリ』が放映されています。
公式サイト https://www.star-ch.jp/drama/chernobyl/

エミー賞にノミネートされ、監督賞・作品賞などを受賞しました。
スカパーで1話無料放送するらしいです。

▶第1話無料放送
[二]11/10(日)21:00~22:05
※スカパー!未加入の方でも、無料でご視聴いただけます。

チェルノブイリ原発事故は1986年4月26日に発生した原発事故です。
以下ビミョーにネタバレなので、気になる方は読まないでください。

【1986年4月26日1時23分(モスクワ時間)に、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国の
チェルノブイリ原子力発電所4号炉で起きた原子力事故である。
世界で最悪の原子力事故と評され、のちに決められた国際原子力事象評価尺度
(INES)では深刻な事故を示すレベル7に分類された。】(Wikipediaより)

日本での最初の新聞報道は朝日新聞で、4月29日の朝刊だそうです。
当時わたくしは鳥取に住んでいました。

身近に島根原発の反対運動に身を投じてた人がいたせいか、
チェルノブイリ原発事故には興味を持っていろいろ調べていました。。
事故の本を書いた広瀬隆氏の講演にも行きました。しかし時はまだ昭和です。
今のようにインターネットもなく、調べると言っても書籍か新聞報道しかありません。

ちなみに大地を守る会ではこれをきっかけに原発反対運動がスタートしました。
どんなに安全なものを作っても、空から放射能が降ってきたらおしまい、という
非常にわかりやすい危機感から反対運動が始まったそうです。
その原発とめよう会の人々は、このドラマのことを知りませんでした。ううううう。

さて、ドラマ『チェルノブイリ』は原発が爆発した直後から物語が始まります。

放射線のことを知らない登場人物のうかつな行動、初動のまずさ、組織的な隠蔽
社会主義体制の恐さ、党のメンツ、スパイ小説通りのKGBのふるまい、
科学者、官僚、軍人、看護師、消防隊員など事故に関わる人々の義務、勇気、あきらめなど
さまざまな要素が組み合わさって物語が進んでいきます。

事故後、放射線障害がどのようなものかを知っている者にとっては
事故直後の消防士、原発スタッフ、近隣住民の行動には恐怖しか感じません。

第一話の主たる登場人物は第三話でほとんどが死んでしまいますが、
最終話(第五話)の冒頭で、事故発生前の彼らが少しだけ出てきます。
第一話で初めて会った、全く知らない人々でしかなかった彼らが、
ドラマが進む間になぜか知り合いのようになっていることに驚きます。

「チェルノブイリ 事故」でネットを検索すると必ず出てくる名前、
ワシリーとリュドミラ・イグナテンコ夫妻、石棺に閉じ込められたホデムチェク、
急性放射線障害で死を迎える原発職員・トプトゥーノフ、アキーモフ、シトニコフなどが、
見ている間にいつの間にかただの名前ではなくなり、肉体を持ってそこに存在していました

ネットで描かれる顔のない彼らは、このドラマで「顔」を持ったのです。
これからも、チェルノブイリと聞くと彼らの顔を思い出すことになるでしょう。
俳優なんだけど、微妙に似た顔、あるいは似せた顔の人が演じているのです。

事故発生後何もしなければ、4号炉の地下タンクにたまった水が水蒸気爆発し、
その結果、隣に建っている3号炉、1・2号炉も破壊され、被害が膨大なものになった
ということを、わたくしはこのドラマで初めて知りました。

それを防いだのは、消防隊員や原発のスタッフ、収束のため高線量地域に
たぶん危険をあまり知らされずに動員された60万人にも及ぶ軍人を含む人々、
原発の下に冷却剤のためのトンネルを掘った掘削員、
それを指示した科学者、決断した官僚だとも知りました。

わたくしたちが今暮らしているこの世界をこの人たちが守ったのかもしれません。
その人々は若くして死んでしまったに違いありません。
わたくしは今、遠くで起きた他人事のようなチェルノブイリについての認識を改めています。

事故は、原発職員の「きわめて信じ難いような規則違反の数々の組み合わせ」が
きっかけですが、原因は秘匿されていた原子炉の欠陥でした。
最初西側にも伝わっていなかったこの事実はネットを検索すると出てきます。(下記URL

この記事ではむずかしくてさっぱりわかりませんでしたが、
ドラマでは中学生にもわかるように説明されていました。
なので『チェルノブイリ』は日本語吹き替えで見ることをおすすめします。

このドラマはあくまでも「事実をもとにしたドラマ」であり、事実ではありません。
それでも、原子力や人の勇気、正義などについて考える機会を与えてくれたこのドラマに
感謝しています。見てよかった。今年一番のおすすめドラマです。

他人にはどうでもいい自分的にグッと来たところ

・ゲーム・オブ・スローンズの、イグリッドに殺されるナイツウオッチ、ピップ
息子・ラムジーに殺されるルース・ボルトン、グレイジョイ家の戦闘員(名前不明)、
スターク家のメイスター・ルーウイン役の人が出てた。HBOだからか。

・主人公のジャレッド・ハリスは小悪党役が多くてロシア人もよくやってるけど、
このヴァレリー・レガソフ役でエミー賞の主演男優賞をノミネートされてたけど逃して残念。
リチャード・ハリスの息子だとは知らなかった。

・副首相・シチェルビナ役のステラン・スカルスガルドも小悪党役でよく見る俳優。
(最近のヒットはデビッド・フィンチャーのドラゴン・タトゥーの女の犯人役)
今回はすごくいい役でエミー賞の助演男優賞にノミネートされてたのにやっぱり逃した。
「盗聴されてようが知るか!! ゴルバチョフにも聞かせてやれ!」とキレるところが秀逸。

・第三話と四話に出てくる将軍やってた人も小悪党役(しかもすぐ殺される)でよく見る人。
なんつーかこのドラマ、ジャレッド・ハリスをはじめなぜか小悪党ばっか出てたのはなぜ。

・ニコライ・フォーミンがハリーポッターのお父さん役の人だったことに衝撃。

・チェルノブイリ原発の写真と言えば、爆発後と石棺、最近では2017年にできた
石棺を覆ったドームの写真しか見たことなかったんだが、近くに冷却水用の湖があったり、
原発職員が住むプリピャチ市がすごく近いことなどの具体的な地理を知ることができた。

・避難区域のペットの駆除に駆り出されたパーヴェルくんの報酬は1000ルーブル、
4号炉の上、ロボットも壊れる地球で一番危険な場所で90秒働く人の報酬が800ルーブル。
価値を調べてみたら大学教授の月給が400ルーブルで地位の低いエンジニアが140ルーブル、
ってことなので、駐車場で働いていたパーヴェルくんにとっては一年分くらいの報酬か。
と、推測すると、危険と言われなければやろうと考えた人は多かったのではないか。

資料
チェルノブイリ原発事故原因の見直し 今中 哲二 
→RBMK炉の欠陥について書いてあります。

・チェルノブイリ原発事故による放射能汚染と被災者たち(1)   今中 哲二
→事故後何が起こったか端的にまとめてあります。

→以下ふたつ、ロシアビヨンドというロシアの情報サイトで見つけました。
アメリカHBOテレビのミニドラマシリーズ「チェルノブイリ」に対する一般のロシア市民の反応
ドラマ「チェルノブイリ」のキャストとそこに描き出された人々(写真特集)


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