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パレスチナのオリーブ畑に行ってきた!

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Byほんたべ

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収穫されてコンテナに入ったオリーブ。これから搾油場に運ばれる。

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手で押しつぶしただけで油分がにじみ出るってスゴイなー。


オリーブの原産地はパレスチナである。と言われているらしい。

わたくしが行ったパレスチナ・ヨルダン川西岸地区のいたるところにオリーブの木が植わっている。
というか、植わっているのは庭木以外はオリーブしかない、と言ってもいい。
ガラガラの岩と石の大地に、オリーブと、何か地を這うような灌木しか生えていない。

そんなところに行ってきた。

「弁当を忘れても傘を忘れるな」と言われる鳥取出身のわたくし的常識では、山は緑色だ。
うっそうと生えた木々の下はシダ類などが地面を埋め尽くし、道端も草ぼうぼうである。
しかし、パレスチナの山というか小高い丘というか、とにかく山の色は茶色である。
そこには木も草もほとんど生えていない。というかイスラエルの入植地が建っていたりする。

そうして、家がないところにはオリーブの木が生えているのだ。
雑草のように生えているから、持ち主がいないかと思っていたらそうではなく
これらのオリーブ全てに持ち主がいると言われて驚いた。あたりまえか。

パレスチナのオリーブ栽培

オリーブは「ここから収穫!」という時期が政府によって決められているらしい。
理由はイマイチ不明である。たぶん品質の保持によるものだろう。

年によって微妙に違うそうだが、10月中旬くらいから11月くらいが収穫期だ。
小さな空き地に何本か植わっているような規模の小さな畑から、数ヘクタールの畑まで、
人々は家族総出で収穫をする。

大地を守る会の基金でオリーブの苗木を買ったという農家のところに行った。

彼の畑は2ヘクタールでまだ小さな木しか植わっていない。木が小さいので
収穫は終わっていた。オリーブも若っ木は収穫が早いのだ。収量は全部で2.5トンだ。

オリーブは1kg3~4ドルで売れるが、幼木の間は樹間にアーモンドを植えている。
アーモンドは1kg10~12ドルで売れる。数量が上がってくるまでは収入の補完になるのだろう。
バラ科なので生育が早そうだと思ったが、もしかしたらオリーブより大きくならないのかも。

オリーブが大きくなってくるとアーモンドは枯れると言っていた。
ということで、30年も経てば樹間8~10メートルという適正なものになる。

オリーブはナバリバラディという品種で、青いのも黒いのも採れる。
「オリーブの品種」で検索しても、この名前は出てこないのはどういうことだ。
日本で売られているイタリア産の塩漬けオリーブのように大きな実ではない。
生でかじってみたら苦渋かった。ポリフェノールだと思うことにする。

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最初に行った農家の家のまわり。この岩が畑から出てきた。見渡す限り緑はなく茶色の風景。
石だらけで土作りとか無縁な気がするが、微生物を増やすために発酵肥料を入れていると言っていた。


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基本的に収穫は地面にシートを敷いてひたすら実(と葉)を落とし、あとで実を拾うというもの。
葉っぱがバンバカ落ちてるんだけどへーきなのかなーと思うのはわたくしが日本人だから。



収穫時期が二ヶ月と集中しているため、兼業農家も多い。

収穫したら肥料をやって剪定もして、その時期以外はどこかに働きに行っていたりする。
本来は雨季に入り、雨が降ってからの剪定がいいんだが、一気に作業を終わらせてしまうらしい。
この農家は、収穫シーズンのみ住むための家を建てていた。

パレスチナではオスマン時代の法律がまだ有効で、何も栽培していないところには
勝手に家を建ててもいいらしい。マジですか!!! って感じ。
オリーブが植わってないとイスラエルから入植者がやってきて家を建てるので、
大地を守る会の基金でオリーブの幼木が植えられて良かった、と言っていた。

日本の常識とかわたくしの常識が宙に浮き、どこかに吹き飛ばされていく。

もう一軒訪問した農家は、借地で5ヘクタールオリーブを栽培している。
成木というか60年生くらいの木なので、1本で50kgほどオリーブが収穫できる。
売上の50%を地主に渡すそうだ。なんかワリが合わない気がするがそういうもんか。

オリーブ栽培以外にヤギ(もしかしたら羊)を50頭飼っていてチーズや乳も売っている。
パレスチナの農家がどう見てもヤギを「sheep」と言うので何がなんだかわからないんだが、
ヤギも羊も飼っているのかも。

調べてみたらフェタチーズは羊の乳でできているらしい。
羊の乳搾りとは苦労が多そうだ。
パレスチナの羊は尾を切られておらず、幸せそうだがひたすら小汚かった。
そもそも羊とはそういうものなのだなと思う。

オリーブの収穫と搾油

オリーブの収穫風景は、日本的丁寧さとは無縁である。

熊手のようなちゃっちい道具で枝をごっそりこそげる感じで、葉っぱは落ち放題。
熊手も持っていない人は素手でそれをやっている。青森の葉摘みを思い出した。
葉っぱが落ちて光合成が、なんていうスキもへったくれもない雑さで驚くばかりだが、
オリーブとはそういう作物なのかも。あるいは日本がヘンなのかも。

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熊手風収穫機。ただ枝に沿って果実をこそげ落としていく。雑すぎる。

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電動収穫機。どう見ても葉っぱを落としてるだけにしか見えないが、脚立に乗らなくていいから楽。
オリーブも背が高くなると作業性が悪いので、剪定でこぢんまりとした樹形にしてるそう。


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60年生くらいのオリーブの木だと言っていたが、もしかしたら100歳だったかも。
オリーブの木が歳を取ると幹がこんな感じになる。中に小動物とか住めそうな。



収穫したオリーブの実は搾油場でガラガラと洗われ、ぎゅーっとすり潰して油になる。
絞ったオイルがザーザー流れているところにピタパンをつけて味見させてもらったら、
搾りたての油はポリフェノールのような味がした。辛くて喉がヒリヒリする。

ニコタマのオリーブオイル専門店で洗練された瓶のオイルをバゲットにつけ、
ちまっと味見させてもらったことを思い出した。
洗練とかいう言葉と無縁なオッサンばっかの搾油場のオリーブオイルの方が
うまいのはどういう理由だろう。そのオイルそれぞれにオッサンの物語があるからか。

たぶんニコタマのオイルも、もとはそういう雑なものだが立派なラベルや意味をつけて
洗練されてる風に見せてるんだ、きっと。二度と買うかと心に誓う。

絞った油は酸度・何か(確認中)を測り、タンクでしばらくの間貯蔵する。
ここでオリーブオイルのオリを下に移動させ、その上澄みを瓶詰めするそうだ。
その後、官能検査も行い、各付けによって価格が決まる。

このオイルは大地を守る会で取り扱っている。
すべて官能検査も行っているコールドプレスのエクストラヴァージンオイルである。

エクストラバージンと呼ぶためのいくつかの条件があるが、
日本は国際オリーブオイル協会に加入していないため、その条件を守る必要がない
=エクストラバージンとは名前だけということを実感として理解した。

日本のエクストラバージンオリーブオイルと海外のそれとは別物である。
やけに安いエクストラバージンが売ってるのはそういう理由だ。

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搾りたてのオリーブオイル。辛いけど野性味あふれる味でおいしかった。
溶剤などで抽出されていないコールドプレスのオリーブオイルのため、風味が損なわれていない。

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酸度0.5、あと右に書いてある「A:27」ってなんだったっけなー。
酸度0.8以下のものが非常に品質が高くてエクストラバージンとしてもいいオイルとのこと。
このオリーブオイルを食べたら日本のオイルは味気なくて食べられないす。



パレスチナをはじめとする各国では、オリーブオイルは油というより調味料であり、
日本で言うところの醤油と同じ。チーズにもトマトにも何にでもかける。
香りと味がいいものであれば、よりいっそう味が膨らみおいしさも増すのだが、
日本のエクストラバージンオイルでは、そういう効果はないだろうなと思う。

わたくしはオリーブオイルとオリーブのことを何ひとつ知らなかったが、
あのような条件の悪い土地に粛々と根を張り、ほんのちょっぴりしか降らない雨で
何十年も果実をつけ続けているその生命力はオイルにもやどるはずだ。

小豆島のオリーブには申し訳ないんだが、雨が多くて土質も優れている日本では、
このような味は出せないのではないかと思う。

てーことで、パレスチナのオリーブオイルを買いたくなった人は、
大地を守る会で注文できますので、ぜひどうぞ!
ちょっとお高いですが、その価値はあります。
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